Service 水素Hydrogen
2つのプロセスから
液化水素を製造
当プラントではLNGの冷熱を利用し、空気から窒素・酸素・アルゴンの産業用ガスを分離・製造。
更にそこで製造された液化窒素の冷熱を利用し、原料である天然ガスから水蒸気改質して得た水素ガスを液化水素にします。
このような、2つのプロセスを組み合わせて水素を液化するのはわが国で初めてのことです。
液化水素は、高圧圧縮水素ガス供給の約12倍の運搬が可能になり、産業用への利用拡大や、来たる水素エネルギー社会への普及・拡大に向け大きな役割を担っていきます。
ガス製造フロー

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改質器改質器では天然ガスから水蒸気改質によって水素を製造します。
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PSA装置PSA装置では高圧力下で水素ガスだけを取り出します。
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液化器液化器では液化窒素の冷熱と水素の圧縮・膨張で得られる冷熱を使って水素を液化します。
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循環水素圧縮機循環水素圧縮機によって水素を圧縮、液化器内の膨張タービンにより水素を冷やします。
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液化水素の貯蔵タンク液化水素の貯蔵タンクは300KLを6基設け、安定供給に努めています。
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圧縮水素圧縮水素の充填ライン(600Nm3/h×2基)も設けています。
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中央制御室1日3交代、24時間体制でプラント管理を行っています。
エネルギーの脱炭素化を
水素が牽引
水素が、次世代のエネルギーとして、これほどまでに注目されるのはなぜでしょう?
それは、水素が地球環境問題と資源エネルギー問題を同時に解決できる可能性を持つクリーンエネルギーであるためです。
燃料電池の普及により水素で車やバス、フォークリフト、船舶が走り、出力変動の大きい再生可能エネルギーを水素に代えて貯蔵・輸送し、需要地で電気に変換させる。
また、海外の豊富な未利用エネルギーから水素を大量製造・液化して日本へ輸送し、大規模発電を行うことでCO2排出量を大幅に削減する。
このように水素をエネルギーとして活用することで、CO2排出量を削減できる水素社会を実現するために、日本のみならず、世界各地で企業・自治体・国が連携するさまざまな取り組みが始まっています。

燃料電池自動車(FCV)の普及に向けた貢献
当社の出資会社である岩谷産業グループは水素の取扱いにおいて約80年の歴史をもつ国内トップメーカーとして、研究開発から製造、輸送、貯蔵、供給、利用まで、サプライチェーンのすべてを自社グループで担う一気通貫体制を築いてきました。長年にわたり積み上げてきた水素&液化水素のハンドリングのノウハウを生かし、2014年7月には、日本初の商用水素ステーションを兵庫県尼崎市にオープン。現在では、日本国内はもとより、FCVの普及が先行する米国カリフォルニア州でも運営を行っています。
当社はそうした国内の水素ステーションへ液化水素や圧縮水素を安定して供給しています。

現代社会の暮らしと産業を支える水素の用途
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エレクトロニクス
- 半導体
- シリコン製造
- 太陽電池
- LED
- ファインセラミックス
- IC・LSI・トランジスタ
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電力
- 発電機
- 原子炉
- 燃料電池
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宇宙開発
- ロケット燃料
- 人工衛星部品
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科学
- 油脂硬化:マーガリン・化粧品等
- 有機化合物
- 高純度アルゴン
- 石油精製
- アンモニア
- メタノール/塩酸
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ガラス
- フロートガラス
- 石英ガラス
- 光ファイバー
- ランプ
- 人口宝石
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金属
- 金属熱処理
- 光輝焼鈍
- 金属鉄粉:磁性鉄粉等
- 非鉄金属:タングステン・モリブデン等
- ろう付け・溶融・溶接・切断
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その他
- 分析・試験・標準ガス
- 気球・気象観測用
- 燃料電池自動車(FCV)
- 水素エンジン自動車
- 家庭用燃料電池
- 超電導